ゆうやけ

10月も末
茜空鮮やかとなれば
里芋ほりの
作業も早めにしまい
老いの母は腰を伸ばす
 
「それ車庫まで運んでくれ」
 
樹脂で作った網型の籠に
取立ての里芋ごろりごろりと
積み上げて
3度も運べば終了となる
 
明日早く
来年の種芋を
より分ける
 
母はきっとそうするだろう
 
母の背を
猫が追い
その後を私が行く
 
もうゆうやけはすぎてしまった