水呑み百姓

追想 ノムラ君

平成29年6月10日。土。 雨 新聞は大きい字(見出し)と、野球と、死亡欄くらいしか見ないようになった。 とっているのが地方紙のk新聞でネットの時代になったせいもあるからだろうか 年齢のせいもあるからだろうか 長くても15分もすれば読み終えてし…

青年との会話

9月29日(日) 早朝、畑の草むしりをしていて、ふと目を上げたら 見知らぬ青年が頭を下げた。 すらりとした背は高めの韓流スターふうの顔立ちだ。 おはようございます。 おはようございます。 ニコニコしながら近づいてくる。 「草取りしているのですか。」…

都会

(平成25年1月2日 正月に思ったこと。) 正月とお盆は 村に 大人になった子供たちが帰る日だ。ほんの2,3日だが。 どこの家も夜まで電気がついている。私が大人になるまでは村から去るのは二男、三男と娘たち。 それが、私たちのころになると大学進学…

あしたにするか

地区の営農組合の 事務会計小使い全般の係をしている。半月くらい前に 組合長から年末までに売上げと支出のまとめと役員会の準備をしておいてくれと連絡を受けた。 気にはなっていたのだが まだ 畦塗作業とか 肥料散布作業の請求書つくりとか 作業代金の支払…

秋の気配

平成24年8月29日(水) 経験したことのない暑い夏。平成24年は殆ど雨のない暑い暑い夏であった。 今日も、気象予報では36度の予想であった。残暑厳しき夏である。 早朝に畑の草を刈ってほしいとの母の言葉があって いつもの事ながらぐずぐずしていて …

農薬、化学肥料の減量

農産品の今 野菜でも 果樹でも コメ、ムギの穀物でも 生き物であるから 体を作るための栄養と生存と成長のエネルギーを水と窒素、燐酸、カリ、その他多種多様な栄養を 体内に取り込む。 それが野生の場合はそれ自身の適応力と幸運にもそういうものに恵まれた…

田螺(たにし)

なるべく化学肥料をやらずに、除草剤をまかずに、水辺のような環境で生き物溢れる稲作つくりをしようと 2年前に ドロオイムシの農薬投与をやめた。肥料も一発剤の施肥料を30キロ から 28キロ 25キロと減らしてきている。 除草剤は一発剤(投げ込み式…

となみ野の春

一気に春。砺波市 鷹栖(たかのす)地内を 愛車 ダイハツハイゼット に またがって じゃなくて 運転中に 発見しました。 ついこの間までの雪が うそのようです。 もう田植えをした田圃を見つけました。 チューリップ畑も 花がさいていました。 早生品種なん…

希望

今、地区の営農組合の総会がおわった。 田舎のことだから総会と名のつくものには必ず宴が伴う。 2時に始まり 3時半に終了 それからが宴会。 宴会が終わったのは6時半。 私は、会計であり、雑用係の事務局というまことにありがたい役目のおかげで酒の燗と …

今年の雪に へこたれぎみ

この時期になると そろそろ たまねぎ (※ 近頃はオニオンとかぬかす輩も多くて 爺としては 何を!たわけ オニオンだか オネエサンだか知らないが たまねぎという 素性のはっきりした 名前があるんだと言いたくなる。) に肥やしをやらないといかんのですが …

生産組合長のお役目

世の中に百姓という言葉が死語になりつつ ある。その代わりに農業とか農業者とかいう言 葉が多く使われるようになった。 私が子供のころは ヒャクショウ といって 町のコドモが人を小馬鹿にする時に使った言葉 であったが、それでも父ちゃん達はヒャクショウ…

除雪の朝

正月明けの朝、雪が積もっていた。 夜中が静かだったので積もっていると思っていたが 思ったほどのことは無かった。 それでも、道までは除雪が必要だ。 道へ出れば除雪車が脇へどかした雪の小山をどかす仕事もある。 猫ががんばれよと目で合図する。 ふらふ…

糸ヒバの帽子

選定してないイトヒバの木。 てっぺんに雪を乗せて 私に言った。 おい、写真撮ってる暇があったら おろしてくれてもいいだろ。 これから3ヶ月。 雪の重さに耐えながら イトヒバは春に備えているに違いありません。

Mリンとアオ〇〇さん

かぶら 昨日、風邪気味の母ちゃん(母81歳)が蕪(かぶら)寿司にするかぶらを10ほどとってこい というので畑へ行くと、しばらく見てなかった蕪が 今まで見たこともない大きさになっている。 そう、普通はソフトボールの球くらいなのだが 南瓜ほどのが1…

鼬(いたち)

愛用のダイハツ・ハイジェットで走行中に鼬が走りぬけた。 何十年も見た記憶がなかったが、まだいたのだ。 ここ、となみ野はコンクリートで固めた用水が幅を利かし 平野の中にかつてあった雑木林や森や薄の群生もない。 カブトムシもクワガタもカミキリムシ…

結い

かつて、今のようにモノがなかった頃、高出力の建設機械も、農業機械も、高速道路も、電燈でさへもなかった頃、人々は田植えとか、道の補修とか、普請とか、白川や五箇山にかろうじて残る茅葺屋根の葺き替え作業とかで、1人や二人で手に負えないことは人と人…

稲刈り

9月15日記 わずかながら コシヒカリ を作っている。その稲刈りを行った。今年は9月に入って連日、真夏のような晴天が続き倒れずに育った。例年だとこの時期、秋雨前線に悩まされ、刈り取り日がうまく設定できないのがこのあたりの百姓の悩みの種なので、…

大震災のこと1

(平成23年9月21日記す) 大震災から半年が過ぎた。あってみたものでなくては分からない苦悩の日々であっただろう。そしてこれからも住む場所を失った人々の困窮の日々は長く続くことになるだろう。 時と共に、被災しなかった他の地方の人にとって、同情の念…

名家の人

富山県砺波市にある入道家。この地域でも一際大きなアヅマ造りの家だ。入道家は奥行きも深い。 今は近所にハウスメーカーの流行の家も立ち並ぶ。そういった流行の家がこの屋敷中に軽く20~30件以上はたつだろう。 こういう家は維持管理も大変なのだが、年に…

葉っぱに思う

緑の葉っぱ。 その中にある葉緑体などが光のエネルギーを取り入れ光合成を行う。 水と二酸化炭素から 私たちの命の源 炭水化物(食物 )をつくり 酸素を放出していく活動だ。 娘が使っていた十数年前の高校生物教科書をめくると そんなことが少し詳しくかい…

獅子舞の存続

獅子舞の継承 私たちの地区では 明治時代から 獅子舞が続いています。しかし、人口流出で老人ばかり。 なんとか人をかき集め秋祭礼の時だけはしのいでいます。 あと1年、あと一年と続いてきましたが今や絶体絶命の状況になっています。 今年一年だけはもたせ…

むすこ2

カレンダーに印がついてるので おまえが メシをくいにくる日 母ちゃん(私の母)は はやくから その準備 カレーライス 体調も少し良く 俺は あれこれ片付け 母ちゃんが飯だといった 1時になっていた カレーを食べようとして 「音がした。」と母ちゃんが言う…

りん

平成21年1月11日(日) 半年くらい前に娘が職場の先輩からもらった白猫。一切のメス。これがよく鼠を捕る。一時は毎日一匹くらいのペースであった。最初は2ヶ月程度ほとんど納屋暮らしであったが、いつの間にか家の中に入るようになった。外から入るたびに…

とうちゃん

平成20年4月24日 とうちゃんは十五で、てて親に死別れ。 手に職つけてとばあちゃんが、その兄に土間に頭をすりつけて、どうにかなった大工弟子。 ああそれなのに、貧乏暮らしに徴兵うけて残る家族は火の車。 それでも運よく大垣連隊で終戦に、危うく拾…

かあちゃん

平成20年9月24日 昔、高校生だったころ、田舎のど真ん中にいた私は同級生とする会話の中で母親のことを「かあちゃん」と呼べなくなりつつあった。 「オカアサン」と呼ぶのが教養ある育ちの良い人間の常識のように感じていた。小学校のときでもヨイトコノ子…

からす2

からすがくるみの殻を自動車で割る。 そういう光景をテレビでご覧になった方はたくさんおいでだと思います。しかし、それは特殊なカラスではありません。 私は退職して暇だったころ何度もその光景を見ました。 カラスの中では一般化された胡桃割り技術なんだ…

○○農産の姿勢

岩澤信夫氏の本「究極のたんぼ」を読んで冬季湛水不耕起栽培を知る。 http://www.no-tillfarming.jp/kyuukyokunotanbo.html 他の地方はよく分からないが私の地域では仲間田(なかまだ)というのがある。一枚の田圃(3~6反程度)を複数の耕作者の所有と言…

大きいことはいいことか

農業を成長産業とするために 大規模化を図るというのが世の中で よく語られる。 これまでの40年、私の住むムラは その渦中にあった。 今やかつてコメを作っていた百姓は 30%くらいになっている。 大規模化は間違いなく進んできたのだ。 しかし、大規模化…

多様性

みんなそれぞれちがっていることが大事なのだ。 冬季湛水の水田の水溜り。この中にどれほどの数と種類の生物がいるか。 目を凝らしてみれば水中に小さな泳ぎ回る虫がいて 水面を飛ぶ小虫がいる。 藻が少しずつ増え、水中の緑がふえてくる。小さな水溜りの中…

からす2

からすがくるみの殻を自動車で割る。そういう光景をテレビでご覧になった方はたくさんおいでだと思います。しかし、それは特殊なカラスではありません。 私は退職して暇だったころ何度もその光景を見ました。カラスの中では一般化された胡桃割り技術なんだと…