ねこやなぎ

平成25年3月11日
 二年前の今日は震災の起きた日。昔なら風の便りに大変なことがあったとなるが、津波が押し寄せる光景を現代の私たちは映画を見るように見ていた。今日はどこもその報道でいっぱいである。
 幸運なことに私はそれを見る立場であり、その悲惨に胸を痛める立場であった。今もまた当事者でないことに変わりはない。私は幸運の中に身を置いている。
 
 被災を受けられた方々の二年間は気が滅入る日々であったろうし、これからも相当の年月はそうであろう。そういう方たちに比べ 季節を感じ、ありきたりの田舎者の少しだけ波乱がある日常というのはなんともありがたい境遇にだと思う。
 
 ボーっと雀の飛び交う姿を見ていることの幸いは 有り 難い ことなのだ。
 
 少々風は冷たいが、雪も解けたので 昨年末の福野の「歳の大市」で買った本柚子を植えることにした。
 
 母の進言をうけ  柚子が陰にならぬようにと雑木を2本切る。
 こういうときは チェーンソーは役に立つ。造園用の三脚にのぼり文字通り不安全作業で枝を切り幹を切る。私の腹回りほどある幹は少し手間がかかったが風通しよく 日当たりよい 場所をとれた。
 
 そこに スコップで穴を掘り 堆肥と 石灰を混ぜて土を準備し 終わったところで 若木を植える。
 狭いプラスチックの鉢に押し込められてコチンコチンになりそうな根っこをすこしほぐして穴へ入れそっと土をかけたあとに 乾燥防止のために押し切りで切った藁(ワラ)を 根元にまいた。
 柚子のダラブツ18年?とか言うが、それまで生きながらえることになるだろうか? 
あ、こんな意地悪爺さんがもし生きていたら ろくなことはないかもしれない?
 
 後片付けをして 用水で長靴を洗おうとして猫柳の綿のような芽が出ているのに気づいた。イメージ 1
ああ、春だ。子供の頃はあちこちに珍しくもなくあった猫柳。今はこのあたりにはここだけ。