まっくら

 晴れた日も   雪の日も  ちょっとした吹雪の日も  学校から帰ったら
雪まみれになって遊んだ。

 雪だるまはうまくまるくならない。大きくなると重たくなるし、炭はいっぱいあったがバケツはない。
 手は竹の棒だ。

 3,4人集まったら雪合戦。真っ白な田圃へいって足で雪を踏み固める。スコップで防御用の
壁を作る。とにかくやりたくてしょうがないのでいい加減に踏み均し、一寸だけ壁らしきものができれば
すぐに戦闘開始。弟は雪をぶっつけられて泣く。ばかやろうとおもいながら長靴の中にいっぱいの雪を入れて
足はそのうちびしゃびしゃになった。

 小学校の4年生くらいになったらスキー。ペッチン止めとよんだ長靴に履くスキー。
 直線距離で700メートルくらい先にある小さな坂がスキー場だ。なんとそこは線路がカーブする場所で
高くなっている場所なのだ。線路脇から東に向かう坂が何とも絶好の場所なのだ。
 面白くて熱が入ると汽車が来るのも忘れてしまう。ぽーっ、ぽーっと警笛を鳴らすと
あわててみんな線路わきに行くのだった。そんな時代だった。
 
 おそらく汽車の運転手はこうおもっていたのだろう。

 ええい!ガキども どけえ![目][ちっ(怒った顔)]
 スキー場まではスキーで行く。今でいう歩くスキーだ。今のように除雪はないから道は無いようなもので
一直線に行けるのだった。

 かまくらも作ってみたがあれはどうもうまくいかなかった。東北の雪とは違って溶けて崩れるのだ。
 雪の上での取っ組み合いも面白かった。冷たいが痛くないのだ。

 そうして雪よかし(除雪作業)をさせられるとき以外はおもしろくてしかたがなかった。

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 遊びほうけて家に入ろうとすると 戸を開けた瞬間、家の中は 真っ暗で何も見えない。 雪は白。おそらくほかの季節よりは明るいのだと思う。だから目が慣れるまで時間がかかるのだ。
 オマケニ、北陸の雪はびしょびしょの雪なので

長靴の中で雪は解け、中はびしょびしょ。ズボンもびしょびしょ。

毎日のようにばあちゃんにやみかれ(叱られ)た。
冬、ばあちゃんは私たちに着せるものがなくなったとくどいたものだ。