黒部源流をあるく1(折立から高天原まで)
H28/11/1 記す
進む左手は薬師岳側の森。とても広い。
もう歩きたくない。一歩でも近いほうがいい。
静かな朝を迎えた。
8月9日の朝から4日間 雲の平の周辺を歩いた。
ずっと前から一度は行こうと思っていたので、少年のようなわくわく感に、はしゃぐ思いの数日間だった。
初日
(有峰湖へ行く前に有料道路の料金所があり、6時にならないと通れない。)
途中、工事が多く片側通行で待たされるので1時間くらいかかって登山口 折立へ。
(平日は余裕があるが、休みとなれば第二駐車場へ回らねばならない。第二駐車場は登りで2,30分くらいかかる場所らしい。)
登山口から強めの登りを三角点へ、そこからは太郎平までは緩めの坂を上る。7時過ぎに登り始めればゆっくりでも昼前には太郎平へ着く。太郎平は薬師岳、北の俣岳、雲ノ平の中継点で ここの太郎小屋で登山届を出す。富山県山岳救助隊の人が届をチェックしてくれる。
太郎平からは晴れていれば登ってきた方向の正面に雲の平が見える。まっすぐ行けば薬師岳、右へ折れて太郎小屋の脇を抜け少し行けば北の俣岳への道と薬師沢への道への分岐がある。
左へ向かい薬師沢への下りである。最初のうちはかな
りの急坂。
1時間も行けば緩やかな笹原。木道を下る。
さらに1時間余りでまた急なくだりとなるが、そのうち小屋の赤い屋根が見えればそこは薬師沢小屋の真上。
私のようなマイペースの爺さんでも3時間から4時間で到着する。
途中でいくつかの橋を渡る。増水していれば危険な場所だと思われた。
薬師沢小屋は黒部源流の2つの沢が合流したY字型の峡谷を俯瞰できる場所にあり天気が良ければデッキでボーとして缶ビールと烏賊の燻製くらいで幸福感に浸れる場所だ。
二日目
小屋の前に橋が架かっている。鉄製の赤い吊り橋。高所恐怖症の人は冷や汗に背を濡らすかもしれない。
そこを渡ればいきなり5メートルくらいの崖。垂直に鉄の梯子がある。誰もが大きめのリュックを担いでいるのでひやひやしながら降りることになる。
沢を少し行けば 沢沿いの大東新道と雲の平への分岐がある。水量が多いときは大東新道は危険だというので雲の平をのぼる。 強烈な登り。
緩むことのない急峻な行程。(途中、山小屋の弁当を食べエネルギー補充)
そこを2時間から3時間かけて進み木道が始まるあたりからだんだんと緩やかになる。
森を抜け アラスカ庭園というあたりで 展望が開けると同時に 高原の道にかわる。
👈 アラスカ庭園で休憩中の老夫婦。
休みたくなる場所だ。
👈こんな木道を歩く
水晶岳👇
👈槍ヶ岳
笠が岳
ゆっくり歩いて心を自然に解き放てば浮世の煩わしさが青空に吸い込まれて行ってしまう。
木道を一時間くらいで雲ノ平山荘に到着。昼である。
そこから少し行けば高天原への分岐である。
そこからは百メートルに満たない登りとくだりが2度あって草原からまた森林へと入ったあたりから突然の急な坂が待つ。梯子も数か所、しかも長い。途中、大東新道と合流する少し手前あたりまで続く大変な下りである。そこまで2時間くらい。その合流点からさらに下り、草原へと出る。目の前に水晶岳が聳え立つ。屹立という言葉の意味が実感として伝わる。
1時間余りで高天原到着。
奥の森の中に赤い屋根が見える。ここまで雲ノ平山荘から3時間くらい。
そこから温泉までは15分くらいだろうか。くだりである。沢の中にある。対岸には混浴風呂もある。
ここで一緒になったおじさんが→
「ここへ入るんですか、みえますよ」という。
私はかまわず素っ裸になりざぶーん
気持ちよし
汗を流した後で20分くらい登るのでまた汗が出るのは自然のことだ。山小屋へ戻ってきたらビールがほしくなるようになっている。水も出しっぱなしでごっくんごっくんと まことにうまい。
この山荘は発電機がない。ランプだ。静かである。
さすがにランプの下の食事は暗いと感じたが、夜中も仄明るいので、消灯後、真っ暗な他の山荘よりは良かったかもしれない。