初登り・・・・・雪の八乙女山 山行記

2018/1/6(土曜)
昨年の暮れ(12/26)焼き肉屋でタカクワ君から渡された「道宗道の会」http://www.taff.or.jp/saposen/katsudo_97.html主催の八乙女山登山の案内状。
 迷った末に参加すると返事した。
 それから体力をつけるためと、やたら増えた腹回りを落とし、身体をならす目的でウォーキングを(正月の2日間を除いて)やって臨んだ。初めての雪山登山をするので、歩くときは除雪した歩道に雪があればそこを歩くようにして、ちょっとでも雪山の練習にならないかと思って歩いた。
 この間、延べ十時間以上は歩いたので腹周りは全く変化なしだったが自信のようなものが体内に宿ったような気がしていた。
 1月6日、この日の天気予報は曇りのち雨。集合地点(南砺市井波「木彫りの里」の向かい側)ではどちらかというと私より年上の人たちが多く若い人がパラパラ  という17名が集まった。
 内心、このメンバーならついていけそうだと思ったのは浅はかであった。
 8時半、井波方面からは途中がけ崩れで車では通れない閑乗寺公園へ向けて歩き出し、しばらくして大先輩たちの歩く速さについていくのが大変なのに驚いた。タカクワ君が隣を歩く大先輩に聞いた。
「○○さんおいくつになられますか?」
帰ってきた答えが「49歳。」だったか「29歳」だったか。しかし、これは冗談というより、それくらいの自覚が体内に宿る人の言葉だったのだ。
 一緒に上った先輩の皆さんがみなそれくらいの体力の持ち主だった。

閑乗寺の駐車場からはスキヤキに使う肉やら野菜やら鍋やら卵やらを分担して担ぐ。少し登っただけで肩の息の私と違い、他の参加者はしばらくのうちにたくさんの荷物を分け合ったので私は何も担ぐ必要がなかった。
 
 閑乗寺は雪に覆われ、テントが一張と雪だるまが迎えてくれた。そこに泊まっている車は東京のNoだった。その横で集合写真を撮り出発。 閑乗寺は積雪20センチもあっただろうか、登り切って登山道へ向かう。
      ↓9:22 閑乗寺最上部より砺波平野展望
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 暫くは所々土が出ていた。少し進むと兎が襲われた跡があった。白い毛とわずかの肉片と血痕が残されていた
      ↓9:26 : 杉林の中を進む
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 いつの間にか雪の道。ここがどこかさっぱり見当もつかない。雪が深くなっていると感じる。杉の林もいつの間にかぬけていた。
 離されまいとしているうちに体も温まり、少し楽になってきたが心臓は早鐘のようだ。時々、チョコレートを頬ばりながら遅れぬようにと進む。
最後尾の私の前は雪山が初めてだという大学生くらいの若い女性。
 こういう人がいるときはちょいとばかり頑張れるのだが、最初からついていこうと100%なので余力がない。
休憩時に私の保護者のタカクワ君から黒砂糖をもらう。喜界島産の黒砂糖。甘い!とても助かる。
9:40 : 休憩
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進めば道のない急な登りがあり、そこを先頭の方が雪をかき分けつつ、踏みしめつつ登っていく。スゴイ。間違いなく私より年上の方だ。
   ↓9:46 : 道なき道を切り開く先頭の役目
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 そこを過ぎ、だいぶのぼっていくとお天道様もちょっとばかり味方してくれて、庄川を挟んだ向かいに牛岳が見えた。

10:53 中央が牛岳その向こうは雲で見えず
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さらに進み下っていく先に屋根をすっぽり雪に覆われた小屋が見える。そこが八乙女峠で地図ではもうひと頑張りで八乙女山だ。最初の計画ではここで鍋パーティの筈だ。
 それでもそんな様子はない。ここから先はカンジキなしでは無理とタカクワ君に貸してもらったカンジキを長靴につけるのだが意外と昔ながらのカンジキを固定する方法を知った人がいない。見れば皆短いスノボーみたいのとか新しい留め金付きみたいなカンジキで昔ながらの方法を知る人がいない。若い人がスマホで調べて高桑君に何とか括り付けてもらった。
 さて実はここから一時間が私にとってちょっとした修羅場だった。
 再び頂上に向けて雪をかき分けて進むエネルギーがこの時点でほんのちょっとしかなかった。( ;∀;)
 人生最初のカンジキは歩き方はちょっと難しい。自分で自分を踏んだりしようものなら前へつんのめって、あっ大いにエネルギーを使ってしまう。ヒーハア、ヒーハアと喘ぎながらなんとなく頂上のような高いところについたようにも思ったが誰もいない。そのうちに下りになった。
 あんまり下がるので、どういうことだと思いながら進むと再び登りとなって、カンジキが片方抜けてしまった。先に行ったふみ跡があるのでタカクワ君に外してもらい長靴で上がる。
 やはり、長靴は時々ズボーと沈み、雪に足を取られる。ナンノコレシキ、ヤセガマン!
 やせ我慢も続ければ何とかなるようで、ようやく頂上かと思ったところに鍋パーティの準備をし、私とタカクワ君をみんなが待っていた。
 そこは頂上ではなくそのまだ先の風神堂という場所だった。到着12時。私は頂上あたりを通過して下りてきたのだった。ビールやら三笑楽(五箇山地酒)やらで乾杯し、スキヤキの肉は熊肉、イノシシ肉、牛肉がいっぱい。すごい人たちだ。私はへとへと、食欲が減退でへたり込んでしまいたいが座れば下は雪で尻が冷たいなんてものじゃない。
 リュックの中のカアチャンの作ってくれたおにぎり2つ。頬張れば冷たい!それに比べスキヤキはうまい。
牛とイノシシは頂戴したがクマは謹んで辞退した。

 途中から雪が強くなりパーティーは切り上げて下山(1:15)となった。

12:19 風神堂でのスキヤキ鍋パーティー  熊の肉や イノシシ肉が鍋にあふれる豪快さ!奥に雪に埋もれちゃ鳥居
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風神堂の周りはブナの原生林
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タレて無理した作り笑いの私と よく食べよく飲みよく歩いたタカクワ君の笑いがちがった。
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下山前にすぐ横にある風穴を教えてもらった。風神堂の名の由来だそうだ。
風穴: 冬でも雪の積もらない風穴  もう一か所あるそうだ
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最後に私のよたよたの下山姿をタカクワ君に写してもらった。
カンジキ姿で下山中
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下山は速かった。半分以下の時間で降りた。途中八乙女峠の小屋で甘酒(人生で初めて飲みました。甘かった。)をもらってから暫くしてやたらと元気が出たのは不思議でした。手が冷たくタカクワ君に温めてもらった。感謝!

 初めての雪山で思った。
 道筋は目的地まで折れ線ではなく直線的に進むので急登になる。ちゃんと筋トレしてないともたない。
 手が冷たかった。ちゃんとした手袋は必要だ。
 寒さは私から感動を奪った。けれど、夏の山にはない不思議にであったようだ。