早月を行く その2 鉄を喰う杉

[馬場島]
出発して一時間半で馬場島についた。そこでちょっとした驚きがあった。満車なのだ。(30台くらいだけど)
仕方なく戻って、遠くの駐車場に止める。広さは4,5倍位ある。止まっている車は3台。奥の大きな木陰になる場所にとめ、そこで朝飯。愛情弁当也。・・・・誠にありがたい。(-_-)
強い日差しのある侵入口横に止まっていた車から女性が2人出てきてリュックを担いでいる。
イメージ 8

離れているので格好だけでは年がわからない、しかし気になる。
「ええい!愚か者」と自らを戒め雑念を振り払わねばならなかったのは不徳のなすわざ、お恥ずかしい限り。(後で山小屋の夕食が隣になった。30代と40台くらいか。彼女達は大変な健脚だった。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さてと、先ずは腹ごしらえ。おにぎりをほおばりながら遠目に2人を見送った。食後の薬をのみ、車から降りれば駐車場から劔岳が白く霞んで聳えている。
イメージ 1


それは遠くにあって目の前の視界を覆ってしまうほどの大きさだ。(ワァァーーデカイ)それを見ながら準備して馬場島へ向かう。朝からの強い日差しに、馬場島についた時は大分汗をかいてしまった。
途中、キャンプ場のトイレで憂いを断って準備万端、登山口へ向かった。

[鉄を喰う杉]
登山口、そこは不信心な私が手を合わせてしまう場所だ。
イメージ 2


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
登山開始から30歩位ではや急な登り。準備運動なしで突然100m競争!するようなものだ。
イメージ 7

イメージ 3



心臓は草刈り機のエンジンのように激しくピストンし、あっという間に汗だくになる。杉の原生林がトンネルを作ったような登山道は、じっとしていても蒸し風呂だ。

方程式;
高温×急坂×蒸し蒸し=汗噴出過多

99%急坂の早月尾根。
その始まりは何度来ても「登ることを止めて、戻ってしまおうか。」と思わせる。しかし、そこを「もう少しもう少し。」と自分に言い聞かせ、言い聞かせして歩く。
人によって違うが15分~30分位で坂はだんだんと緩んで早月小屋唯一の平坦な道となる。
 ここからしばらくの間は緩めの坂だっつたり、平たんだったりする松尾平というとこだ。
 この辺りで頑丈な体格の若者が追い越していった。
再び登りに転じ既に着ている安物衣装はびしょ濡れ状態。進んで標高1000mの道標がたつ地点は広くなって切り株があり休憩出来るようになっている。
イメージ 4

以前は倍以上の広さがあったが今は草や灌木が進出し、広目の登山道だ。
そこを過ぎ、まだ平坦な道沿いに立山杉の巨木があり、それにペンキで矢印が書かれている。
イメージ 5

しばらく進ん忘れることのないもう一本の杉巨木。
イメージ 6


標識を飲み込むそいつは、初めて出会った時から忘れない。「おい、元気にしてたか、又会いに来たぞ。」
前に来たときよりは標識がより深くめり込んでいたような気がする。
おい、ひとまわり大きくなったじゃないか。」